フィンランドでは1950年代に入り、国の経済状態が悪化していき、医療費の抑制に迫られていたため、子供たちの虫歯の早期発見・早期治療に取り組みました。ところが、いくら早期に発見して治療しても、子供たちの虫歯は一向に減少しません。1975年で子供一人当たりの虫歯の数は平均7本で、治療しても治療しても、また虫歯ができて治療するの繰り返しでした。

そこで、フィンランド政府は1970年代に入って発想を大きく変えます。

虫歯を作らせない予防教育に国を挙げて取り組んだのです。

まずは親に予防や歯磨きの大切さを教え、フッ素やキシリトールを使用した補助的な予防方法にも取り組みました。さらには歯科医師、歯科衛生士の数を増やし、予防のための予算も増額しました。

その結果、フィンランドでは、子供一人当たりの虫歯の数が平均0.8本まで下がったのです。虫歯治療にかける費用も減少していったのです。

現在、フィンランド国民の平均むし歯本数は1本程度で、歯科医師の仕事は歯科矯正とメインテナンスくらいになり、歯科大学の学生の9割は女性で、歯科医師の約半分が自治体で働く公務員だそうです。

日本も同じ時期に歯科医師の数を増やしたのですが、予防ではなく虫歯を削る人を増やしただけという結果で、平均むし歯本数は、30歳前後で約7本です。

ただし、フッ化物入り歯磨剤の普及で20歳前後では約3本になり、少しづつでも予防が浸透してきているように思えます。

おそらくは今後日本でも医療費抑制のため、虫歯を削る人ではなく、虫歯を作らせない人を積極的に育てていく必要に迫られるのでしょう。

投稿日:2018年3月1日|カテゴリ:院長ブログ