妊娠期の歯科治療

医療法人社団康正会リキタケ歯科医院の豆の木です。

 

先月、臨月の患者さんが来院されました。

お話を聞くと、2,3週間前に親不知を抜歯した所が痛むとの事でした。お口の中を拝見した所、抜歯した所は問題なく、手前の歯に親不知の生え方に問題があった為に出来たと思われる大きい虫歯を認め、肉眼所見  ,症状等を総合的に判断して、歯の中の神経を取らなければいけない状態でした。通常、リスクを考えて臨月の状態では歯科治療を行わないのですが、産婦人科の了解を得ているとの事、リスクを超えて歯科治療の必要性を認めた為、患者さんの同意を得て治療を行いました。麻酔下にて虫歯を削っていくと、虫歯で出来た穴はやはり神経に達していた為、虫歯と歯の中の神経を取り治療を無事終了致しました。後日、出産までの応急処置として問題ない状態まで治療を行い、続きは出産後5週から8週以降であれば問題なく治療が可能とされている為、電話待ちと致しました。

 

妊婦の治療に関しては、胎児、母体への影響を考え、妊娠初期  ,後期は原則治療を行わない、已むを得ない場合はリスクを超えて治療の必要性がある場合のみ応急処置の範囲に止めて治療を行い、続きは妊娠安定期もしくは出産後5週から8週以降に行うとされています。

妊娠期の治療はリスクを伴い、治療もより困難になります。また、妊娠中はホルモンバランスの乱れより妊娠性歯肉炎の誘発を招く事や、妊娠、出産時に歯周病に罹患していた場合、早期低体重児出産の率が高まるとされています。

普段より口腔内セルフケアをしっかり行い、定期的に歯科医院にてプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。