ジルコニアは二酸化ジルコニウムのことで人工ダイヤモンドとも言われ、強度と耐久性に優れています 。

ジルコニアは人工関節など医療の分野でも広く使われ、体に親和性の良い材料であることが長年の使用で証明されています。

また、口の中の冷たいものから熱いもの、酸性からアルカリ性までの様々な過酷な状況においても、材料として安定しており、歯や歯茎への影響がありません。

ジルコニアはセラミック系材料の中で圧倒的に丈夫で、色も白く審美的で目立ちにくいのが特徴です。

歯科のセラミック治療で使用する素材には、ガラスセラミックス、ジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミックなどがあります、それぞれの材料にメリットデメリットがあり 治療に即して最も適切な材料を選択する必要があります。その中で今回はジルコニア材料を中心にお話をさせていただきます。

少し前まではジルコニア材料は扱いにくく加工性に劣り、適合性も悪いため、日常診療縫いおいて材料として使用することが難しい時がありました。また審美性に劣るため他のセラミック材料より使用頻度が低い時期もありました。現在ではジルコニア材料の改良が急速に進み、審美性・耐久性に加え、透過性が上がり自然な見た目になり、歯への接着性も良好になったため汎用性の広い材料として扱われるようになりました。

ここでセラミック材料の中でのジルコニアのメリットとデメリットを あげておきます。

【ジルコニアの8つのメリット】

 ① 強度耐久性に優れ割れにくく壊れにくい  激しいや食いしばりがあるときにも使用できます  野球やサッカーラグビーなど強い衝撃を受ける可能性があるスポーツや力を奥歯に力を加えるお仕事の方などにも使用することができます

② 体に優しい安全な材料で金属アレルギーにならない 金属のように錆びることがない

③ 色が白く透明感があり見た目が自然で審美的

④ 変色が少なく歯茎の変色を起こさない半永久的に審美性を保つ

⑤ インプラント・義歯・クラウンブリッジなど汎用性が広く、幅広い治療に活用でき、設計の自由度が大きい

⑥ 表面が滑沢で汚れが付きにくいため清潔に保てる

⑦ 適切な接着操作により虫歯が再発しにくい

⑧ ケースにより仮止めで長期に経過を見ることができる

 

【ジルコニアの7つのデメリット】

① 適切な厚みを保たないと強度が落ち、割れたり壊れたりすることがある

② 歯を削る量が少し多くなってしまう

③ 研磨や調整が難しく熟練を要する

④ 破損したときに修理がしにくい

⑤ 接着剤を適切に使用しないと脱落することがある

⑥ 硬い材料なので表面を滑沢に研磨しないと噛み合わせの歯が傷つくことがある

⑦ 保険が効かないので自費診療になり治療費がかさむ

ジルコニア前歯 ヤマキン

ジルコニア臼歯 ヤマキン

ヤマキン ホームページより)

歯科の材料は、日進月歩で新しい技術素材が改良されていますが、大切なことはその材料の特徴を熟知し適切に扱う人の技術です。

様々なの材料の特徴を 充分に理解した上で 適所適材で使用することが大切なのです。

また治療を受ける患者さんも自分のライフスタイルや予算・考え方などを充分に考慮して、担当の歯科医師と相談しながら材料の選択をして頂きたいと思います。

多くの種類のセラミックス材料のそれぞれの特徴を簡単にまとめておきます。

【ガラスセラミックス】 E-MAXなど

ガラス素材を歯科用に改良したもので、強度が強く色も自然に美しく作ることが出来ます。金属を一切使用しないことで、天然歯の色調を再現し、自然な仕上がりとなりますが、ジルコニア・メタルボンドに比べると強度は劣ります。

表面の色   ★★★★★
強度     ★★★☆☆
光の透過性  ★★★★★

【ジルコニアセラミッククラウン】

ジルコニアセラミックはジルコニアをベースにして、そのうえにセラミックを焼きつけたもので、審美性と金属の強度を併せもった素材です。金属を一切使用していないので、光の透過性もよく、金属アレルギーや歯ぐきの変色の心配もありません。審美性において、もっとも優れている材料です。

表面の色   ★★★★☆
強度     ★★★★☆
光の透過性  ★★★★☆

【フルジルコニアクラウン】

フルジルコニアはガラスセラミックやジルコニアセラミッククラウンに比較して、見た目は劣りますが歯に近い色で仕上げることが可能で、費用も安くかぶせることができます。

強度が優れているため、今までのセラミックス材料ではできなかったブリッジでの使用も可能です。

一方、メタルクラウンに比較すると接着力が勝ります。臼歯部に使用することが多いのですが、前歯に使用することもできます。

表面の色   ★★★☆☆
強度     ★★★★★
光の透過性  ★★★★☆

【メタルボンドクラウン】

メタルボンドとはメタルフューズドクラウンともいわれ、金属を芯にしてその上にセラミックを焼き付けたかぶせものです。中身が金属で出来ているので、強度がガラスセラミックより強く、表面がセラミックで出来ているので、自然な色合いで審美性にも優れていますが。ただ、ベースに金属を使用アしているため歯ぐきの変色や金属アレルギーが起こる可能性などのデメリットがあります。治療箇所により、比較的強度が必要な個所の治療やブリッジに適しています。

表面の色   ★★★★☆
強度     ★★★★★
光の透過性  ★★★☆☆

【CAD/CAMハイブリッドクラウン】

オールセラミックの場合、材質が硬すぎるため咬む力がかかる奥歯などの場合、咬み合わせる自分の歯を傷めてしまう場合があります。その欠点を改善したものが、ハイブリッドセラミックです。ハイブリッドセラミックは、硬いセラミックに粘りのあるレジン樹脂を混ぜたもので、咬み合わせる歯に優しく、奥歯に適しています。

表面の色   ★★★☆☆
強度     ★★★☆☆
光の透過性  ★★☆☆☆

金属を含め、チャートグラフで描くと以下のようになります。

セラミック材料チャート

「ジルコニア修復の常識と鉄則」 伴清治 より

セラミックス材料の共通の特徴としては、本物の歯と見分けがつかない美しさを半永久的に維持できる審美性が第一です。

①個性のあるそれぞれの歯の色に合わせることができる

どのような色にも着色できるので、たくさんのサンプルの中から色の種類を選べますし、それぞれの歯の特徴に合わせて、部分的に色を付け個性的に作成することもできます。

②滑沢な表面に仕上げることができるので、本物の歯と同様の輝きを得られる

樹脂系の白い歯では得られない、ツルツルな表面に仕上げられるので輝きのある歯にすることができる

③本物の歯と同様に透過性があり、半透明なので、質感が本物の歯と類似

本物の歯もセラミックスも半透明で、表面の色と内部の色が同時に見えています
保険適応のレジン前装冠は不透明なので歯と同様の質感は得られません

④半永久的に変質、変色、着色、摩耗がほぼない為、見た目に変化がない

非常に硬く、経年劣化もしない為、表面の輝きは失われず、汚れも付きにくい。
樹脂系の材料は装着した時が一番きれいで、時間と共に劣化し、変色、摩耗が起き着色もしやすい。
さらに体への安全性も大きな要因です。

①生体との親和性が高い

②本物の歯と同様に、歯肉が薄く歯の上に伸びてくるので歯と被せものの境目が移行的で自然に見える

③安定した物質なため、変質、変性、化学反応がなく、溶け出す物質もない

④生体と親和性が高い上に、為害性の有る変化(錆びる)もない。アレルギー反応が起きない

⑤金属は金属アレルギーとガルバニー電流が生じる可能性がある

直接コンポジットレジンを詰めることができる小さな虫歯の場合を除き、歯型を取って治す場合はセラミックスをレジン系の接着剤で歯にくっつける処置が最も信頼性のある治療法です。
ただし、適切な接着技術を用いなければ、セラミックスで治療をしても虫歯は再発します。

日本の保険治療に使われる12%金銀パラジウムという日本独自の特殊な合金は昭和時代の材料です。
残念ながら、保険の金属(銀歯)では理想の治療を行うことはできません。むし歯の再発を防ぐことは難しく、金属アレルギーを避ける観点からもメタルフリーの治療が推奨されます。

【【セラミッククラウンQ&A】】

Q1:セラミックスは保険の差し歯とは違い他の歯と比べて自然な仕上がりになるのでしょうか?

  セラミックス治療では基本的に金属を使わないので歯と同様な光透過性があり自然に近い印象があります。ただ際、すでに金属の芯が入っているときには、透過性が劣るため自然観に劣ります。

Q2:以前、奥歯に銀歯で治療したところをセラミックで白くしたいのですが、セラミック治療はできますか。

  金属を除去して詰めなおすことは可能です。治療してある銀歯の大きさ・深さにより材料の選択が必要になります。場合によっては、より大きく削ったり、神経を取らなければ治療できないこともありますので、担当のの歯科医師と相談してください。

Q3:前歯の差し歯の周りの歯肉が黒く、歯肉と差し歯の境目にある黒いラインが気になります。きれいな歯ぐきにできますでしょうか?

  おそらくは、今はいっている被せものに金属を使用してあり、その金属が歯肉に溶出しているものと思われます。

既に歯肉にしみこんでしまった金属イオンを除去するには外科治療が必要なこともあります。今後、さらに黒いところが広がらないようにするにはセラミックで治療し直すことも考えられます。

Q4:セラミックと聞くと硬いイメージがあるのですが、セラミックで詰めものをした場合、他の歯に何か悪い影響はありますか?

  セラミック材料の表面をしっかりと研磨することで他の歯への悪い影響を避けることができます。

Q5:セラミックは白くきれいに治療ができると聞いたのですが、口に入れることの安全性は他のかぶせものと比べどうなのでしょか?

  セラミック材料は口腔内で安定した材料なので、安全性に問題はありません。

Q6:奥歯の銀色の詰めものが気になるのですが、セラミックの詰めもので白くした場合、銀の詰めのに比べ機能面での、何かデメリットはありますか?

  機能面でのデメリットはありません。詰め物の大きさ・深さ、個人的は咬み合わせの力のかかり方により適切な材料を選択する必要があります。

Q7:前歯をセラミックにしようと思っているのですが、耐久性はどうなのですか?また、どのくらいの期間もつのですか?

  過度な力や衝撃力がかかるとかけることはあります。ジルコニア単体のものであれば破折することはまずありません。当院でジルコニアを採用してから15年ほどになりますが、トラブルは他の材料に比べてとても少ないです。

ジルコニアを含めセラミックス治療のご相談があれば、池袋東口のリキタケ歯科医院へご連絡ください。

 

投稿日:2023年5月20日|カテゴリ:院長ブログ